「リハビリ終了」=回復完了ではない:高次脳機能障害/TBIで終了理由が争点になる(弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)の案件では、回復期リハや外来リハが「終了」していると、相手方から 「もう治った」「必要ない=軽い」 と整理されやすくなります。
しかし実務上、リハ終了は「回復完了」ではなく、制度・期間・通院負担・病院方針・本人特性など、様々な理由で起きます。終了理由を整理せずに放置すると、時系列の空白として扱われ、立証が弱くなりがちです。
重要なのは、リハ終了そのものを争うことではなく、リハ終了の前後で
- 何ができるようになり
- 何が残り
- 生活期でどう崩れるのか
を、一次資料で線にして示すことです。まず手元資料の範囲で「どこまで言えるか/不足は何か/次に何を集めるか」を短時間で整理するのが合理的です。
リハ終了がある案件で起きがちな落とし穴
- 「終了=治癒」と要約され、生活支障が議論から落ちる
- 退院・終了後の空白が「問題なし」と埋められる
- OT/STの具体があるのに、終了時の要約(サマリー)だけが残って軽症ストーリーになる
- 生活期の破綻(就労・IADL・対人)が医療記録に乗らず、申告中心になる
- 既往・適応・性格など別要因に切られやすくなる
リハ終了は、それ自体が悪い材料ではありません。放置したときに“悪くなる”材料です。
リハが終わる理由は「良くなったから」だけではない
リハ終了は、次のような理由で起き得ます。
- 回復期病棟の制度上の期間(区切り)
- 通院負担、距離、家族の都合
- 目標が「自宅退院」までで、就労・対人まで扱いきれない
- 本人の病識・協力度・疲労で継続が難しい
- 医療側の方針(経過観察、地域支援へ)
ここを整理せずに「終わった」という事実だけが残ると、「必要なかった」方向に回収されやすくなります。
リハ終了前後は「要約が強く、一次記録が埋もれやすい」時期
リハ終了時には、総括的な記載(サマリー、計画書の更新、目標達成の表現)が増えます。
一方で、実際の課題(段取り、注意配分、病識、対人、安全面)は、日々のOT/ST記録や看護記録に散らばります。
終了時の要約が「自立」「改善」寄りになるほど、一次記録の具体を時系列に置いて補強できるかが重要になります。
リハ終了後に争点が立ち上がりやすい(生活期で崩れる)
高次脳機能障害は、環境が整った訓練場面では成立しても、生活期で
- 予定・金銭・服薬などIADL
- 就労の複雑さ(複数課題、報連相、確認)
- 対人関係、社会的行動
- 疲労で崩れる(持続性)
が顕在化することがあります。
この生活期の実態が資料上で弱いと、「リハが終わった=回復完了」で押し切られやすくなります。
実務で強い進め方:一次確認で「終了理由」と「終了後の空白」を先に固定する
リハ終了がある案件は、まず手元資料の範囲で
- 争点に対してどこまで言えるか
- リハ終了の理由が資料上でどう見えるか(弱点になり得るか)
- 終了後の空白を何で埋めるべきか(就労、家族、支援記録など)
- 不足資料・追加取得の優先順位
- 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)
を短時間で整理し、終了を弱点にしない時系列へつなげます。
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