「家族が支えて回っている」案件:高次脳機能障害/TBIで“支援ありきの生活”を過小評価させない(弁護士向け)

結論(先に要点)

高次脳機能障害(TBIを含む)の案件では、家族の支援によって生活が一見回っており、外見上は「自立」「落ち着いている」と見えることがあります。
この状態は、相手方にとって「問題なし」「軽い」と整理しやすい材料になり、生活支障や監督の必要性が過小評価されがちです。

重要なのは、家族支援を“付随事情”として扱うのではなく、支援の存在そのものを、生活機能の立証(監督の必要性・将来見通し)に接続できる形で整理することです。
手元資料の範囲で「どこまで言えるか/不足は何か/次に何を集めるか」を短時間で整理し、“支援が支障を隠している”構造を崩れない形にします。


家族支援が強い案件で起きがちな落とし穴

  • ADLが自立して見え、「介護不要」「監督不要」と要約される
  • 「できる」記載だけが残り、支援が前提であることが消える
  • 家族申告が中心になり、「主観」「盛っている」と反論されやすい
  • 生活期の破綻が記録に残らず、就労・IADLの困難が立証しづらい
  • 家族が疲弊して初めて支障が露出し、その時点で「後出し」と言われる

家族支援は、案件の実態を支えている一方で、立証上は“見えにくくする要因”にもなります。


家族支援は「生活ができている証拠」ではなく、支障の存在を示す手がかりになり得る

高次脳機能障害では、支援があることで生活が成立することがあります。
このとき、「生活が回っている」事実をもって軽症とするのではなく、生活が回るために必要な支援が何か、という方向へ整理できると争点が立ち上がります。

つまり、争点は「生活できているか」ではなく、生活が成立する条件として支援が必要かです。


“支援の中身”が見えないと、支援は存在しなかったことにされる

家族支援が争点で効くのは、支援が抽象ではなく、生活機能に落ちる形で示せるときです。

  • 予定・服薬・金銭管理
  • 安全管理(火、戸締り、危険行動)
  • 段取りの補助、声かけ、二重チェック
  • 対人調整、トラブル対応
  • 通院同伴、説明のフォロー

支援が「見守り」一語で終わると、相手方に「それは誰でも必要」と処理されやすくなります。支援が争点に刺さるためには、出来事と時系列の中で位置づける必要があります。


家族支援は、医療記録(OT/ST・看護)と接続したときに“主観”を越える

家族情報は主観扱いされやすい一方、OT/STや看護記録に

  • 支援が必要だった事実
  • 条件付きで成立していた事実
  • 生活へ落ちる示唆

が残っていると、家族支援は「申告」ではなく「一貫した臨床像」として位置づけやすくなります。
ここが接続できると、「支援があるから問題ない」を、「支援が必要だから問題がある」へ転換しやすくなります。


実務で強い進め方:一次確認で「支援が隠している支障」と「資料上の裏付け」を仕分ける

家族支援が強い案件は、生活が一見回っている分だけ、相手方の軽症整理が強くなります。
一次確認では、手元資料の範囲で

  • 争点に対してどこまで言えるか
  • 家族支援が隠している支障がどこにあるか
  • 医療記録・就労資料と接続できる裏付けがあるか
  • 不足資料・追加取得の優先順位
  • 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)

を短時間で整理し、支援が“ないことにされる”リスクを下げます。


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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。

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