「転倒・再受傷」がある案件:高次脳機能障害/TBIで因果が“切れた”と言われない時系列整理(弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)の経過中に、転倒・再受傷・別事故が起きることがあります。
この事実があると、相手方は「その後の症状は別原因」「事故との因果が切れた」と整理しやすく、立証が難しくなりがちです。
重要なのは、再受傷の存在を隠すことではなく、
- 受傷前から症状がどう積み上がっていたか
- 再受傷で何が変わった(変わらない)か
- 再受傷の前後で資料がどうつながるか
を時系列で整理し、「どこまでが元事故によるものとして言えるか」を崩れにくい形にすることです。
まず手元資料の範囲で「どこまで言えるか/不足は何か/次に何を集めるか」を短時間で整理するのが合理的です。
再受傷がある案件で起きがちな落とし穴
- 再受傷以降の支障が一括で「別要因」とされ、損害が削られる
- 再受傷前の経過が整理されておらず、「元事故では軽かった」と言われる
- 医療機関が変わり、記録が途切れて空白期間が生じる
- 「できる」記載と「できない」記載が混在し、信用性が崩れる
- 再受傷の説明に追われ、生活支障の立証(就労・監督)が薄くなる
再受傷は、それ自体よりも「時系列の弱さ」を突かれやすい論点です。
再受傷があるとき、争点は「全部が別原因」か「全部が元事故」かではない
実務では、再受傷があるからといって、全てが切断されるわけではありません。
争点になりやすいのは、
- 再受傷“前”の時点で、どの程度の症状・支障が既に存在していたか
- 再受傷で新たに加わった要素は何か
- 変化があるなら、その変化のタイミングが資料上で説明できるか
です。
再受傷前の線が固いほど、相手方の「因果切れ」整理に耐えやすくなります。
再受傷前の「土台」を強くするのは急性期→回復期→生活期の線
再受傷論点が出ると、議論は「いつ何が起きていたか」へ戻ります。
そこで効くのは、元事故について
- 急性期:混乱・健忘などの客観所見
- 回復期:OT/ST・看護の具体(支援の必要性)
- 生活期:就労・IADL・対人の破綻(出来事)
が一本線になっていることです。
この土台が弱いと、再受傷があるだけで「元事故は軽い」に回収されやすくなります。
再受傷後は「空白」と「病院またぎ」が増える。ここを先に押さえる
再受傷があると、受診先が変わったり、通院が中断したりして、記録が散らばりやすくなります。
この空白を放置すると、相手方は「その間は問題なし」「別原因」と埋めに来ます。
再受傷後の資料は、量よりも「前後をつなぐ」ことが重要で、
- いつから
- 何が変わった(変わらない)
- どの資料で支えるか
を決めてから動くと手戻りが減ります。
実務で強い進め方:一次確認で「元事故の到達点」と「再受傷で揺れる部分」を仕分ける
再受傷がある案件では、まず手元資料で
- 争点に対してどこまで言えるか(再受傷前の到達点)
- 再受傷で揺れやすい論点はどこか(因果・程度・空白)
- 不足資料・追加取得の優先順位(どこをつなぐべきか)
- 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)
を短時間で整理し、「因果切れ」反論に備えた時系列を作ります。
ご相談(弁護士・法律事務所向け)
交通事故・TBIを含む高次脳機能障害案件について、受領資料を「資料名・日付・該当箇所」の根拠付きで時系列に統合し、矛盾・空白・反論ポイント候補を整理します(メール完結)。
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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。
