「通院頻度が少ない」案件の見せ方:高次脳機能障害/TBIで“軽い”に回収されない整理(弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)では、外来通院の頻度が少ない(数か月に1回等)ことがあります。
この事実があると、相手方は「治療が必要ない=軽い」「症状が続いていない」と整理しやすく、立証の弱点になりがちです。
ただし、通院頻度の少なさは「支障がない」ことと直結しません。高次脳機能障害は、医療でできる介入が限られ、経過観察中心になりやすい一方で、生活期(就労・IADL・対人)で困難が続くことがあります。
重要なのは、通院頻度を言い訳するのではなく、通院頻度が少なくても、急性期→回復期→生活期の線が資料上で通り、生活支障が具体で示せる構造を作ることです。
通院頻度が少ないときに起きがちな落とし穴
- 「頻繁に受診していない=問題なし」と短絡される
- 外来カルテが要約的になり、生活支障が記録に乗らない
- 家族申告中心になり、「主観」「後出し」と反論されやすい
- 画像や検査点数の議論に引きずられ、生活機能の立証が薄くなる
- 時系列の空白(退院後〜生活期)が埋まらず、「その間は安定」と整理される
通院頻度の少なさは、それ自体よりも、生活期の記録が薄くなる点で危険です。
通院頻度が少なくなるのは「診療の構造」として自然なことがある
高次脳機能障害では、外来が
- 変化が大きい時期は短い
- その後は経過観察中心
- 処方や生活指導が中心
となり、結果として通院間隔が空きやすいことがあります。
また、本人の病識の問題や生活事情により、定期受診が途切れやすいケースもあります。
つまり、通院頻度が少ないことは説明可能である一方、説明できる形に整理しなければ「軽い」に回収されます。
通院の薄さは、外来ではなく「生活期の一次資料」で補う
通院頻度が少ない案件で勝負になるのは、外来の文量を増やすことではなく、生活期の困難が“出来事”として固定できる一次資料があるかです。
- 就労状況(配置転換、業務軽減、指導頻度、ミス、休職等)
- IADL(予定・金銭・服薬・安全管理)の破綻や支援
- 対人トラブルや社会的行動の問題
- 相談記録・支援機関とのやりとり(ある場合)
これらが医療記録(回復期のOT/ST、看護)と矛盾なく線でつながると、通院頻度が少なくても争点を動かしやすくなります。
「安定」「変化なし」の切り取りに耐えるには時系列の固定が必要
通院頻度が少ないと、外来には「安定」「変化なし」といった文言が並びやすいです。
この文言を相手に都合よく固定されないためには、
- その“安定”が何に対する安定か(急性期との比較、頭打ち、支援前提など)
- 同時期に生活期で何が起きていたか(就労・家庭)
- 回復期の課題と整合するか
を時系列で示せる必要があります。
実務で強い進め方:一次確認で「通院が薄い構造」と「埋める資料」を決める
通院頻度が少ない案件は、最初の見立てを誤ると、相手の「軽症」整理に引きずられます。
一次確認では、手元資料の範囲で
- 争点に対してどこまで言えるか
- 通院頻度が少ないことが弱点になる構造はどこか
- 空白を埋める一次資料は何か(優先順位)
- 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)
を短時間で整理し、通院の薄さを弱点にしない設計へつなげます。
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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。
