事故状況・損傷機転の扱い:高次脳機能障害/TBIで「医学」と「法的因果」をズラさない(弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)の案件では、事故状況(損傷機転)の整理が弱いと、相手方に「軽微事故」「受傷機転からして起こりにくい」と言われ、因果の議論が不利になりやすいです。
一方で、事故状況を強調しすぎて医学的根拠が薄いまま進むと、「推測」「一般論」と整理されてしまいます。
重要なのは、事故状況を“主張の根拠”にするのではなく、事故状況→急性期の客観所見→回復期の具体→生活期の破綻、という 線の入口として適切に位置づけることです。
手元資料で「どこまで言えるか/不足は何か/次に何を集めるか」を短時間で整理し、事故状況の説明が医学的経過とズレないように組み立てます。
事故状況整理が弱いと起きがちな落とし穴
- 「軽微事故」「低速度」などの主張に引きずられ、因果の入口で崩される
- 画像軽微/陰性と結びつけられ、「軽症ストーリー」が完成する
- 急性期の所見が薄いと、事故状況だけが浮き、推測扱いされる
- 事故状況の説明と医療記録の時系列が噛み合わず、信用性を落とす
- 生活期の支障があっても「別要因」と切られやすくなる
事故状況は、単体で勝負するほど危険で、経過と接続して初めて効きます。
事故状況は「入口」。勝負は急性期の客観所見で決まる
損傷機転の話は、どうしても抽象になりやすい一方、急性期の所見は観察事実として残ります。
高次脳機能障害の因果を強くするのは、事故状況そのものより、
- 事故直後の意識・混乱・健忘
- 見当識の揺れ
- 不穏や指示の通り方
などの客観記録が、事故状況と矛盾なく並ぶことです。
事故状況→急性期の事実が固いほど、画像や検査点数の強弱に左右されにくくなります。
事故状況を語るときに危険なのは「一般論で押し切る」こと
「こういう事故だから脳が傷つくはず」という一般論は、相手方にとって反論しやすい素材です。
事故状況の価値は、一般論の押し付けではなく、
- 事故直後に何が起きていたか
- その後どう変化したか
- 生活期でどう崩れているか
を説明する線の入口として、“過不足なく”置くことにあります。
事故状況は、画像陰性案件ほど“使い方”で明暗が分かれる
画像陰性/軽微な案件では、事故状況が争点に上がりやすいです。
ただし、事故状況を過度に強調すると「画像がないのに推測」と見られやすくなります。
画像陰性案件ほど、事故状況は控えめに置きつつ、急性期の客観所見・回復期の具体・生活期の破綻で線を太くする方が、結果として説得力が出やすいです。
実務で強い進め方:一次確認で「因果の入口がどこで切られそうか」を特定する
事故状況の議論は、案件ごとに弱点が違います。
一次確認では、手元資料の範囲で
- 因果の入口(事故状況〜急性期)がどこまで固いか
- 切られやすいポイントはどこか(軽微事故、画像軽微、急性期薄い等)
- 不足資料・追加取得の優先順位(救急隊記録、看護記録、救急外来など)
- 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)
を短時間で整理し、因果の入口で崩されない設計へつなげます。
ご相談(弁護士・法律事務所向け)
交通事故・TBIを含む高次脳機能障害案件について、受領資料を「資料名・日付・該当箇所」の根拠付きで時系列に統合し、矛盾・空白・反論ポイント候補を整理します(メール完結)。
- 一次確認(資料スクリーニング):通常 33,000円/3営業日
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- 医学意見書:220,000円(税込)
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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。
