就労関連資料の読みどころ:高次脳機能障害/TBIで「生活支障」を“客観化”する(弁護士向け)

結論(先に要点)

高次脳機能障害(TBIを含む)の立証では、医師文書や検査だけだと「日常・就労で何が起きているか」が薄くなりがちです。そこで効くのが、就労関連資料(勤怠・業務評価・配置・指示書・面談記録等)です。
就労資料は、うまく整理できると「支障」を客観化できますが、逆に拾い方を誤ると「働けていた=軽い」と要約されやすく、不利な物語にもなります。

実務上は、就労資料を「たくさん集める」より先に、手元資料で

  • どこまで言えるか
  • 不足は何か
  • 次に何を集めるか
    を短時間で判定し、無駄打ちを止めるのが合理的です。

就労資料を押さえないと起きがちな落とし穴

  • 医療記録は揃っているのに、就労の実態が薄く、逸失利益・労働能力喪失の説明が弱い
  • 家族申告中心に見られ、「主観」「後出し」と反論されやすい
  • 「復職した」「出勤していた」だけが独り歩きし、実際の配慮・失敗・フォローが消える
  • 会社側の説明が「本人の能力問題」「適応の問題」に寄り、事故との因果・症状像がぶれる

就労資料は、争点(労働能力/監督の必要性/将来見通し)に直結する一方、整理が甘いと相手の要約に飲み込まれます。


視点①:「働けた」を“就労の条件”に分解できるか

高次脳機能障害の就労は、しばしば「就労の可否」ではなく、

  • 業務内容が変わっていないか(軽易化・限定)
  • 指示・確認の回数が増えていないか(監督・二重チェック)
  • ミスの種類が変わっていないか(注意・遂行・記憶)
  • 疲労・日内変動で崩れていないか(持続性)
    といった“条件”に本質があります。

ここを押さえずに「復職=軽い」で整理されると、後から立て直しにくくなります。


視点②:強いのは「評価」より「出来事」が残る資料

就労資料の価値は、「優秀/問題あり」のような評価語より、出来事の記録に出やすいです。例えば、

  • 指示の誤解・手順飛ばし・やり直し
  • 時間管理の破綻、遅刻・欠勤の質の変化
  • 対人トラブル、報連相のズレ
  • 配置転換・担当変更の経緯
    といった“起きたこと”が残ると、争点に接続しやすくなります。

一方で、企業文書は形式がバラバラで、個人情報・開示範囲の判断も絡むため、「何を優先して取りに行くか」の設計が重要です。


視点③:医療記録(急性期〜回復期)と線でつなぐと反論耐性が上がる

就労資料は単体でも使えますが、強くなるのは

  • 急性期の混乱・健忘
  • 回復期のOT/ST所見
  • 生活期(就労)での破綻
    一本の線になるときです。

この線がないと、相手から「職場不適応」「性格」「ストレス」といった整理をされやすくなります。
当オフィスでは、就労資料を“足す”のではなく、既存医療資料と矛盾なく接続できるか(逆に弱点は何か)を前提に判断します。


実務で強い進め方:まず一次確認で「A/B/C」と“次の一手”を確定する

就労資料は集め始めると際限がなくなり、時間だけが溶けがちです。
そこで、まず一次確認で、手元資料の範囲で

  • A:意見書へ進む合理性が高い
  • B:追加資料で可能性が上がる
  • C:現時点では難しい(立証設計の再検討が必要)

を判定し、追加取得の優先順位と、次工程(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)を決めるのが堅いです。
この段階で方向性が固まると、依頼状・意見書の中身も「集めた資料に引っ張られる」のではなく、争点に向けて一直線になります。


ご相談(弁護士・法律事務所向け)

交通事故・TBIを含む高次脳機能障害案件について、受領資料を「資料名・日付・該当箇所」の根拠付きで時系列に統合し、矛盾・空白・反論ポイント候補を整理します(メール完結)。

  • 一次確認(資料スクリーニング):通常 33,000円/3営業日
  • 【初回限定】新規の弁護士・法律事務所さま:一次確認 1件無料1事務所1回/重複割引なし
  • 医学意見書:220,000円(税込)
  • 将来費用:将来費用スクリーニング 55,000円(5営業日)/将来費用積算表 220,000円〜

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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。

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