神経心理検査は「いつの結果」を見るべきか:弁護士向けの時期・読みどころ

結論(先に要点)

神経心理検査は「点数」だけで争うと反論が増えます。実務上は、

  • 実施時期(いつの検査か)
  • 当時の前提条件(疲労・薬剤・環境等)
  • 生活機能との接続(IADL/就労/対人)
    を、時系列の中で整理して扱うのが堅いです。

検査結果が“そのまま立証”にならない理由

  • 回復期の途中だと、症状が変動している可能性がある
  • 実施環境や体調(疲労・睡眠・疼痛・薬剤)の影響があり得る
  • 点数が良くても生活上の支障が残る/点数が悪くても日常が回っている等、単純ではない

まず確認する3点(最低限)

① 検査日(時点)

同じ検査名でも「事故後いつか」で意味が変わります。
急性期〜現在の時系列に置き、前後の記録と整合するか確認します。

② 検査の位置づけ(何を見ているか)

“検査名の羅列”より、争点との関係が重要です。
(例:注意・記憶・遂行機能が争点なのか、社会的行動なのか)

③ 生活機能との接続

検査結果と、日常・就労・対人の記録がどう繋がるか。
ここが弱いと反論されやすくなります。


「読みどころ」は時系列で増える

検査結果単体ではなく、前後の記録とセットで見ると、争点整理が進みます。

  • 受傷後の症状(看護記録・家族聴取・リハ記録)
  • 生活機能の推移(ADL/IADL、復職過程)
  • 再検の有無(変化があるなら、変化の説明が必要)

反論されやすいポイント(事前に見える化)

  • 実施条件(体調や環境)へのツッコミ
  • 生活機能との不一致(点数と実生活が噛み合わない)
  • 時系列の飛び(検査前後が抜けていて説明できない)

→ これらは「不足資料の優先順位」に落とせます。


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※本記事は情報提供であり、医療行為・診断ではありません。

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