画像が陰性/軽微でも高次脳機能障害は争える——「画像一本足」にならない立証の組み立て(TBI|弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)は、CT/MRIで明確な損傷所見が出ない(または軽微)ケースでも争点になり得ます。
ただし実務上、「画像が陰性=軽症/障害なし」という整理は非常に出やすく、画像に引きずられると、急性期の混乱・健忘や、回復期〜生活期の具体的支障が十分に評価されないまま不利になります。
画像所見の強弱に左右されないためには、画像を否定するのではなく、画像の限界を踏まえたうえで、臨床経過と生活機能の根拠を“線”にして提示することが重要です。
画像陰性案件で起きがちな落とし穴
画像が弱い案件ほど、資料の組み立てを誤ると一気に苦しくなります。
- 相手方が「画像陰性」を起点に、障害の存在・程度を一括で否定してくる
- 医師文書が要約的だと、画像の一文だけが独り歩きして、臨床像が消える
- 検査点数が一定程度出ていると「正常域」と整理され、生活支障の説明が薄くなる
- 生活期の支障が出ていても、「心理的」「適応」「元々」など別要因に逃げられる
- こちらの主張が「画像は当てにならない」という方向に寄り、説得力を落とす
画像が弱い案件ほど、議論は「画像」ではなく、経過の客観性と整合性へ移します。
画像は“勝負の主役”ではなく「位置づけ」を決める資料
画像は強い資料ですが、画像が陰性・軽微な場合は特に、次のように位置づけを決めた方が安全です。
- 画像所見の有無だけで結論づけない(=画像は経過の一部)
- 急性期の状態(意識・健忘・混乱)と矛盾しない形で置く
- 回復期のリハ所見や生活期の支障と、時系列上の整合を取る
- 反対当事者が「画像陰性」をどう使うかを先に想定しておく
要は、画像を主役にしない代わりに、画像を“反論の起点にさせない設計”が必要になります。
画像陰性で強くなるのは「急性期→回復期→生活期」の一本線
画像が弱い案件で立証力が上がるのは、次の線が通ったときです。
- 急性期:救急・入院初期の記録に、混乱・健忘・せん妄様などが客観的に残る
- 回復期:OT/STや看護記録で、注意・遂行・記憶・対人面の具体が積み上がる
- 生活期:就労/IADL/対人の破綻として具体化され、損害項目に接続できる
この線が作れないと、「画像陰性」だけでなく「主観」「後出し」「適応」の反論にも弱くなります。
画像陰性案件は「資料の集め方」で勝負が早く決まる
画像陰性の案件は、闇雲に資料を増やすより、争点に効く順に集める必要があります。
ただ、どの資料が“効くか”は、手元資料の内容と空白期間によって変わります。
- 何が核になり得るか
- どこが弱点になり得るか
- 次に何を取れば線がつながるか
この判断を早めるほど、依頼状や意見書がブレず、手戻りが減ります。
実務で強い進め方:まず一次確認で「A/B/C」と次工程を決める
画像陰性案件は、見立てを誤ると「意見書を取ったのに弱い」結果になりやすい領域です。
そのため、まず一次確認で
- A:意見書へ進む合理性が高い
- B:追加資料で可能性が上がる
- C:現時点では難しい(立証設計の再検討が必要)
を判定し、次にやるべきこと(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)を決めるのが合理的です。
ご相談(弁護士・法律事務所向け)
交通事故・TBIを含む高次脳機能障害案件について、受領資料を「資料名・日付・該当箇所」の根拠付きで時系列に統合し、矛盾・空白・反論ポイント候補を整理します(メール完結)。
- 一次確認(資料スクリーニング):通常 33,000円/3営業日
- 【初回限定】新規の弁護士・法律事務所さま:一次確認 1件無料(1事務所1回/重複割引なし)
- 医学意見書:220,000円(税込)
- 将来費用:将来費用スクリーニング 55,000円(5営業日)/将来費用積算表 220,000円〜
リンク
注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。
