「症状固定」前後で崩れる案件:高次脳機能障害/TBIで“固定日の意味”をズラさない(弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)では、「症状固定日」は損害実務上きわめて重要ですが、固定日=治癒/固定日以降は変化なしと単純化されると、生活期の支障や支援の必要性が評価されにくくなることがあります。
また、固定日前後で通院頻度や記載が変わるため、時系列整理が甘いと「改善」「軽症」方向に回収されやすいです。
固定日前後の争点は、医学論というより、資料のつなぎ方(急性期→回復期→生活期)と、空白・矛盾の扱いで決まることが多いです。
まず手元資料で「どこまで言えるか/不足は何か/次に何を集めるか」を短時間で整理し、固定日を軸にブレない骨格を作るのが合理的です。
症状固定を巡って起きがちな落とし穴
- 固定日が「回復した日」のように扱われ、後遺障害の中核が薄まる
- 固定日以降の通院記録が薄く、「その後は安定=支障なし」と整理される
- 固定日前の記録が回復期中心で、生活期(就労・IADL・対人)の具体が不足する
- 固定日と、復職・配置転換・退院などの生活イベントの関係が整理されず、因果の説明が崩れる
- 固定日前後で「できる/できない」記載の矛盾が出て、信用性の議論に引き込まれる
固定日そのものより、固定日前後の“見え方”をどう作るかが実務上の核心です。
症状固定日は「医学の区切り」だが、生活期の困難が消えるわけではない
高次脳機能障害は、固定日を過ぎても
- 代償(メモ、声かけ、環境調整)が必要
- 疲労やストレスで崩れる
- 対人・社会的行動の問題が顕在化する
といった形で、生活期の困難が続く(または強く見える)ことがあります。
固定日前後を「改善/回復」一方向で見せると、これらが拾われず、損害の説明が弱くなります。
固定日以降の支障を主張するなら、固定日前からの線で“そうなる必然”が示せるかが重要です。
固定日前後で資料が薄くなるのは自然——だから空白を設計で埋める
固定日が近づくと、医療記録は
- 経過観察
- 変化なし
- 次回○ヶ月後
といった記載が増えやすくなります。これは診療の構造上、ある程度避けられません。
問題は、その薄さを放置すると、相手方に「固定後は問題なし」と埋められることです。
固定日前後は、医療記録だけでなく、回復期リハ・看護・OT/ST・就労・家族情報などで“線”を補強する設計が必要になります。
固定日前後で「矛盾」が出るときは、時系列で意味を固定する
固定日前後は、資料に次のような矛盾が出やすい局面です。
- 訓練ではできるが、生活で崩れる
- 日中は落ち着くが、疲労・夜間で崩れる
- 外来では淡々としているが、家庭・職場で問題が出る
この矛盾を放置すると「誇張」「適応」「性格」の議論に引き込まれます。
一方で、矛盾を時系列と条件(場面・負荷・支援)で位置づけると、高次脳機能障害の特徴(場面依存・負荷依存)として説明しやすくなります。
実務で強い進め方:固定日を中心に「骨格」と「次の一手」を先に決める
固定日前後で迷走しやすいのは、資料が多いのに「争点に刺さる順番」が決まっていないときです。
一次確認では、手元資料の範囲で
- 固定日前後で、争点に対してどこまで言えるか
- 弱点になり得る空白はどこか
- 追加取得すべき資料の優先順位
- 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)
を整理し、固定日を軸にブレない設計へつなげます。
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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。
