「書いてあるのに伝わらない」略語・定型文の落とし穴:高次脳機能障害/TBIで記録の要点を取り逃がさない(弁護士向け)
結論(先に要点)
高次脳機能障害(TBIを含む)の医療記録は、略語・定型文・テンプレ記載が多く、「重要なことが書いてあるのに、読み手に伝わらない」状態が起きがちです。
この状態のまま進むと、相手方にとって都合のよい一文(例:「自立」「理解良好」)だけが採用され、こちらにとって大事な具体(条件付き成立、場面依存、支援の必要性)が埋もれてしまいます。
略語や定型文の読み解きは、知識よりも「争点に沿って意味を固定する整理」で差が出ます。
手元資料の範囲で、どこまで言えるか/不足は何か/次に何を集めるかを短時間で整理してから、必要箇所を深掘りする方が、結果として速く確実です。
略語・定型文を放置すると起きがちな落とし穴
- 記録を読んでいるのに、争点に刺さる根拠が拾えず「薄い案件」に見える
- 相手方がテンプレの良好所見だけを採用し、軽症ストーリーが固まる
- 「見守り」「促し」「環境調整」など支援の存在が、読み手に伝わらず“自立”扱いになる
- 職種ごとの文体差が矛盾に見え、信用性の議論に引き込まれる
- 時系列の中で意味が変わる文言(安定、変化なし)が、切り取りで固定される
略語やテンプレは「便利な表現」ですが、争点整理の観点では罠にもなります。
高次脳機能障害は「短い言葉」の裏に争点が隠れやすい
高次脳機能障害の困難は、診察室で言語化されにくく、病棟や訓練の場面で露出します。
そのため、記録上は一見さらっとした言葉(定型)で書かれがちです。
- “できた”が、支援付きの成立なのか
- “落ち着いている”が、日中だけなのか/環境調整後なのか
- “理解良好”が、単純指示だけなのか/複数課題で崩れるのか
ここが整理されないと、同じ一文が真逆の意味で使われてしまいます。
略語・テンプレが多い資料ほど「単独で読まない」方が強い
略語やテンプレは、単体では意味が取りにくい一方、他資料とつなぐと意味が定まることがあります。
- 救急・入院初期の状態
- 看護記録の観察事実
- OT/STの課題と介入
- 回復期計画・FIM
- 就労・生活期の出来事
こうした資料の中で位置づけると、「その言葉が何を指しているのか」が固まり、反論にも耐えやすくなります。
「読める人しか読めない」を避けるには、争点に沿った再編集が必要
記録の読解は、最終的に“アウトプット”が必要です。
- 争点に対して、どこまで言えるか
- どの記載が核で、どこが弱点か
- 空白はどこで、何を取れば埋まるか
この形に再編集できると、略語・テンプレが多い資料でも「使える根拠」になります。
逆に、読解が個人の頭の中で終わると、案件の骨格は強くなりません。
実務で強い進め方:一次確認で「拾うべきところ」と「拾うべきでないところ」を仕分ける
略語・定型文の多い記録は、全部読むほど迷子になります。
一次確認では、手元資料の範囲で
- 争点に対してどこまで言えるか
- 核になり得る記載がどこにあるか
- 弱点になり得るテンプレがどこにあるか
- 不足資料・追加取得の優先順位
- 次におすすめの対応(詳細/依頼状ドラフト/医学意見書)
を短時間で整理し、深掘りする価値がある箇所に時間を集中させます。
ご相談(弁護士・法律事務所向け)
交通事故・TBIを含む高次脳機能障害案件について、受領資料を「資料名・日付・該当箇所」の根拠付きで時系列に統合し、矛盾・空白・反論ポイント候補を整理します(メール完結)。
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注意:本記事は情報提供です。医療行為(診断・治療)ではなく、後遺障害等級の認定・訴訟結果等の保証はできません。個人の方からの直接依頼は原則お受けしていません。
