結論(先に要点)
高次脳機能障害案件では、後から争点化されやすいのは「症状がいつ・どの根拠で出ていたか」です。
急性期〜入院初期の記録は、症状の“出発点”と“経過の一貫性”を支える資料になり得ます。
まずは「どの時点の、誰の記録があるか」を欠落なく押さえることが、後の反論耐性に直結します。
なぜ急性期〜入院初期が重要か
- 後から作られる要約よりも、当時点の記録は「同時性」が高い
- 施設・職種で用語が違っても、同じ時間軸に置くと整合性/矛盾が見える
- 「画像所見が弱い」ケースほど、急性期の症状・行動・看護記録が争点になります
まず押さえる資料チェックリスト(最優先)
1) 救急・初診(来院当日〜翌日)
- 救急搬送記録(救急隊記録)
- 救急外来記録(初診の医師記録)
- バイタル、意識レベル(JCS/GCS等)、鎮静/鎮痛薬の有無
- 既往・内服・飲酒等の情報(記載があれば)
2) 入院初期(概ね〜3日程度)
- 医師の経過記録(回診記録、問題リスト等)
- 看護記録(観察、夜間の様子、見当識、指示理解、危険行動など)
- リハ介入がある場合は初期評価(PT/OT/ST)
3) 画像・検査(「画像そのもの」よりまず文章)
- CT/MRIの読影レポート(文章)
- 神経学的所見の記載(麻痺、失語、眼球運動、協調運動など)
- 血液・代謝、感染、薬剤など鑑別に触れている記載(あれば)
“後から効く”ポイント(記録の読み方)
- 同じ出来事でも、医師・看護・リハで表現が異なる(用語ゆれを前提にする)
- 「いつから」「どれくらい続いたか」が抜けがち
→ 時系列に並べると、空白(記録がない期間)が見える - 争点と関係ないように見える行動記載(道に迷う、指示が通らない等)が後で重要になることがある
よくあるつまずき(実務上の注意)
- 退院サマリーだけで進めてしまい、急性期の原記録が薄い
- “症状あり/なし”の断定だけで、根拠(誰が・いつ・どの記載か)が残らない
- 記録の粒度がバラバラで、経過の一貫性が説明できない
一次確認(資料スクリーニング)でできること
提供資料を基に、急性期〜現在までを
根拠(資料名・日付・該当箇所)付きで一本の時系列に整理し、争点上の
- 矛盾
- 空白(不足資料)
- 反論ポイント候補
を抽出します。
相談(一次確認:22,000円/3営業日)
実案件の資料整理は、一次確認(資料スクリーニング)より承ります(弁護士・法律事務所向け/メールのみ)。
公式サイト:https://www.koujinou-shien.jp/
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※本記事は情報提供であり、医療行為・診断ではありません。

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