時系列にすると見える「空白」と「矛盾」:高次脳機能障害/TBIで反論ポイント候補を早期発見する(弁護士向け)

結論(先に要点)

高次脳機能障害(TBIを含む)は、資料を時系列に並べるだけで

  • 立証の弱い「空白」
  • 反論の餌になる「矛盾」
    が早期に見えます。実務では、空白・矛盾を「指摘」で終わらせず、追加で取る資料/医師への質問に落とすのが堅いです。

なぜ時系列が効くのか

  • 証拠が「点」(救急、画像、リハ、家族メモ)で散る
  • 争点は「線」(受傷直後→回復→生活機能)で評価される
    → 点を線に変えると、説明不足の箇所が見える

空白(ギャップ)が出やすいパターン

① 退院後〜回復期/外来の記録が空く

  • 「その間に改善したのでは?」と言われやすい

② 画像所見(軽微/陰性)と臨床像の接続が空く

  • 「器質的損傷が乏しい」一本で処理されやすい

③ 神経心理検査の前後が空く

  • 当時の状態(疲労・薬剤・睡眠等)や臨床所見がつながらない

④ 生活上の支障が医療記録に乗らない

  • 家族メモだけだと「主観」と言われやすい

矛盾が出やすい典型(“嘘”ではなく場面差)

  • 病棟ではできる/家庭で崩れる(環境負荷の差)
  • 診察室では良好/就労では破綻(要求水準の差)
  • 医師文書は薄い/OT・STは具体的(職種による粒度差)
    → 矛盾を「場面差」として説明できる形にしておく

反論されやすいポイント(事前に見える化)

  • 時系列が飛び、悪化/改善の説明ができない
  • 根拠資料が示されず、「どの記録の話?」になる
  • 生活機能への接続が弱く、点数・所見だけの勝負になる
  • 他要因の時系列が整理されず、「事故以外」で押される

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※本記事は情報提供であり、医療行為・診断ではありません。

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